ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

前に進めるかどうかなんて自分次第

久しぶりに帰省した。

降り立った妙蓮寺の駅は、随分と様変わりしていた。若返っている。美容院はやたらあるし、フィットネスクラブまでできて、お洒落なパン屋などもできている。たかだか数年ぶりに帰ってきたに過ぎないのに。

それでも病院の数はやたらと多い。その辺はあまり昔のこの町と大きくは違わない。

今住んでいる多摩川から遠くない。ほんの30分くらい。でも帰る理由もないから年末年始さえ帰省することはなかった。というかこんだけ近くに住んでいれば、帰省というのも言葉が違うような気がする。

横浜まではよく出る。でも、どうしてこの町はスルーしてきたんだろう。同級生も一人暮らしを始めて帰ってくる理由もなくなったからかな。いつでも帰れるから帰ることがない。

「ただいまー」

「あら、千恵どうしたの?」

母が迎えに出てきて驚いていた。やはり暫く振りの娘の帰宅には驚いたらしい。そりゃ、そうだ。日頃軽く連絡を取っているものの、滅多に帰ることがなかったから。それに平日の昼間に小さなスーツケースを抱えて帰ってきたのだから。

「いや、なんとなくしばらくはこっちから通おうかなって思って」

「あらまー、珍しい。まぁ、お茶入れるから上がんなさい」

久しぶりの家。案外悪くないかもしれない。父に会わなければ、だが。

「どうしたの急に?」

母は当然のことを聞いてきた。

「や、なんとなく、久しぶりに実家に帰ってくるのもありかなと思って」

母は少し嬉しそうに微笑んだが、それ以上は深入りしてこなかった。

ほんとは仕事が忙しくて、ちょっとしたエスケープがしたくなった。何もかもが嫌になった訳ではないけども。でも、今日明日は遅い夏休みを取って帰ってきた。

この家は変わらないな。相変わらず母の荷物は多いし、母は仕事と趣味に追われてるし。今日だって習い事のイタリア語を勉強していたらしい。

お茶を飲みながらしばらく母と話をした後、日が沈まないうちに久しぶりに近所の八幡さまへお参りすることにした。

30過ぎて迷える自分。今後どうしていったらいいのでしょう。なんて神様に相談してみる。