ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

最後のデート

突然だったフラれ方。

後悔することたくさん。結婚する気がないなんて言わなければよかった。夜中にちょっと寂しくなってちょっぴり爪痕を残そうとしたりしなければよかった。なんて反省していた。

「昨日は一方的にごめんなさい。もし話すことがあればこれから近くに買い物に行くので・・・」

最後に会うチャンスができた。でももう気が変わらないことは知ってる。それでも会って直接フラれたい。

昼。近所の広い公園で会うことになった。もう向き合うことはない。横並びになって前を向いて話す。時折横を見ながら。

話したことは、今までと変わらなかった。終わりにすることを直接聞くわけでもなく、もうワンチャン欲しいと言うわけでもなく。ただ、今までみたいに彼の愚痴を聞いたり、仕事の話を聞いたり、疲れてるって話を聞いたり。1時間弱ぐらいの会話。季節の変わり目、日陰は少し肌寒くなっていた。

彼女は銀行とスーパーに買い物に行くと言った。

「荷物あるし、帰り車で送ってくよ」

ドライブの約束をしていた。こんな買い物帰りの足だけど、もうこれで本当に最後。ドライブのつもりで声をかけた。

車を取りに帰って、彼女が買い物を済ますのを待つ。家までの30分くらいの最後のデート。話はとりとめのない話。この時間も終わらなければいいのに、ともなんとなく思わなかった。何も終わりに触れない最後のデート。別れも惜しむことなく淡々と。

帰り道、曲も流さずただただ一人の沈黙の中帰る。

初めは話しやすい45度の角度、2回目以降は向き合っての会話、最後は横並びになって話す。向き合い方で人の距離って変わるんだな。最後は同じ景色を見ながら間には距離ができている。

家にあげてもらってハグをしたのが先週なのに、すごい昔のように感じる。最後のデートで最後のお願い。

「連絡はもうしないけど、連絡先を削除するのだけはして欲しくないな」

「りょーかいです」

またいつか会えるのかな。たった2ヶ月の出来事だったけど、ありがとう。