ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

あれから、また普通の日々なんだけど…

あれからまた普通の日々を送ってる。

檜山さんと一緒に帰った日、電車の轟音で聞き取れなかっただろう声を、しっかり聞いていてくれた。なんだか照れ臭くなって窓の外をずっと見てしまっていたけど、とても好感の持てる人だった。

途中コンビニに寄って別れようかと思ったけど、結局マンションまで行った。たわいもない会話。どこかで、どこで会ったことがあるのか頭の中を探して見たけれど、まだ皆目検討がつかない。

あの日の帰り、出会ったベンチの前を通りすがった。檜山さんは、住んでるフロアを知らないようにか、

「ちょっと涼んで帰ります。今日はありがとうございました。おやすみなさい。」

と言って別れた。

低層階に住んでいる私は、エレベーターを使わず階段を登って行った。時折外が見える箇所からちょっとしたら立って歩き出した檜山さんが居た。やっぱり気を遣ってくれていたんだ。

連絡先の交換はしなかった。また会う気がして。実際はあんなに目撃をしていたのに、一度会うとめっきり見えなくなってしまった。でも、もし会ったらなんて声をかけたらいいのかな。なんて考えてしまう。

こういうのっていつぶりだろう。

もう秋が来た。夏の勢いではなく、心の虚ろいやすさ季節。

そう思いながら今日もまたいすゞに来てしまった。仕事の憂さ晴らしに来ていたはずなのに、物思いにふけっている自分。レモンサワーが染み渡っていく。

今日もまたベンチに座ってたら、会ったりするのかな。