ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

パンイチで踊るとシャンパンが手に入った。

昨日に引き続き、イタリア留学中での突拍子もない一幕について。

パンイチでバーで踊り狂ったと言う話。きっとこんな経験をしている人は少ないのではないだろうか。

留学中、夜の外出禁止令が出ていた夜に外出した時のお話。その日も友達に誘われ、夜の街へくり出した。でもこのときはホームステイ先の子と一緒だったから、禁止令も緩かった。24時を越えると雰囲気が変わるバーがあると言うことで、みんなで行くことに。ぜひ雰囲気が変わる瞬間を味わってほしいということで、23時ぐらいに入店。普通にみんなでビールを飲みながらその瞬間を待つ。

24時。これまで音楽の流れていなかったお店にクラブ風の音楽が流れ出す。それもガンガンに。これが待ちに待っていた瞬間か。もう一時期流行ったフラッシュモブよろしく、お店にいた若者たちが勝手に踊りだす。それもだんだんと客が増えて店の外にまで溢れる始末。

どんだけみんな踊るの好きやねん、と思う。へーって感心していたら、だんだんノッてきた男どもが店のカウンターの上にたちぞろぞろと乗って踊りだす。

「お前も行ってこいよ」

と半ば強引に背中を押される。友達をもっと増やしたいと思っていた自分にとっても、チャンスの場だったので、周りの筋肉隆々の男たちに混じって踊ってみた。そしたらなんと「ヒュー!」という歓声と共に男たちが脱ぎだすではないか。これはもはやストリップの状態。

みんな自慢の筋肉を見せていく。一枚また一枚と。ここは負けていられない!ここでやらねば日本男児として名が廃る。負けじとこちらも一枚また一枚と脱いでいく。踊りながらテンポよく妖艶に。

カウンターに立って踊ってる男たちは、だんだんとチキンレースのようになっていく。どこまで脱げるか。みんな上半身裸。そして脱ぐのは下半身にまでいき、ズボンのボタンを外し、パンイチに。

女の子も見ている。脱ぐたびに女子の黄色い声が飛んでくる。どこまで脱げば終わるのか、焦らし焦らしながら最後の一枚に手をかけた。そしたら、その時一緒に踊っていた男どもが台を降りた。その瞬間「ブラボー!」の嵐が。勝った。俺は勝ったのだ。このチキンレースに。他の男たちもこちらに向かって拍手をしているじゃないか。そこで一人勝利の舞を踊らされる。なんともクレイジーな状態である。

よくよく今思えば、当時履いていたのはトランクス。股の隙間からモノが丸見えだったのではないだろうか。それでも開放感と勝利の満足感でいっぱいだった。カウンターから降りると、服を着る間も無く嬉しいことに女子たちからのキスと熱い抱擁が待っていた。浸るしばしの光悦感・・・

そしてお店の店主も、髪もなぜか青く染めていた謎のアジア人の雄姿に感激してくれたらしく、サービスにこれやるよ、とシャンパンをくれたのである。なんということか。半ば強引に始まったストリップショーでシャンパンを手に入れることができるとは。

もちろん、そのシャンパンは祝杯に変わったのである。パンイチになることで、一夜にして一躍ヒーローになることができた。友人が爆発的に増えたのは言うまでもない。しばらくは語り継がれる話となった。

パンイチになると色々なものが手に入った。結構青春。

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