ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

前略、お元気してますか。

「檜山ー」

「はい」

「行くぞー」

「あ、はい。もう少々お待ちいただけますか」

「じゃぁ、先に店に行ってるから」

「あ、急ぎます・・・」

ぼやきの山田からの誘い。考えてみたらこれも久しぶりだ。最近お互い年末ということもあり忙しかったから、あまり嫌な気はしない。それにしても何かあったのだろうか。また娘さんの話か?

いつも通りのいすゞに向かう。そういえば、マンションの下で会ったっきり、めっきり彼女には会ってない。元気にしているだろうか。仕事で忙しいと言ってたから、相変わらず忙しいのだろうか。

お店に向かう道中ちょっと千恵さんのことを考えた。お店に行ったらもしかしたら会えるかもしれない、なんて淡い気持ちを持ちながら。

当然だが、彼女はお店にいなかった。でも、もしかしたら後から来るかもしれない。

部長の話は、仕事の話だった。少し大きな案件が来て、進行中の進捗確認だったらしい。あとは、一緒にやっている部下の仕事の仕方に関しての心配。

後輩は、正直なかなか育たない。一緒にやっている限りでは、ついついこちらが手を出してしまい育たないのではないかと最近思う。小さな仕事でもいいから一人でやらせてみろ、それが部長からのアドバイスだった。

30過ぎてから初めての後輩が出来るとなかなか対処に困る。この課題は夏からあんま解決していない。もうそろそろ自分も長いから、来月末には異動の内示が出るかもしれない。

そんな久しぶりの飲みの会話をしているときに、お店の戸が開いた。ふと目をそちらにやる。マフラーをしていて顔がよく見えないが女性だった。ちょっと心がザワついた。

まぁ、んな思った時に来るなんて都合のいいことはないか。案の定全くの別人だった。