ciccioneの日記

30歳を過ぎて見切りで会社を退職した人間が、再び収入を得るような仕事に就けるまでの日々を記録していきたい。

さよならしたばかりなのに・・・

会社帰りになんとなくビールが飲みたくなって、コンビニに寄った。

「合計216円になります。」

支払いを済ませ、僕はコンビニを後にした。

家まで5分もない程度の距離。夏本番の最近では、この距離でもちょっと歩いただけで暑いと感じる。

なぜクールビズと言いつつも、会社はノーネクタイだけでスーツなんだろう・・・

そう毎日ブツブツ思いながら、残りの道のりを疲れて猫背気味になった僕は、トボトボと帰る。

家に帰っても誰かが待っている訳ではない。暗い音のない部屋の電気とテレビを付けて、音を灯す。もちろんエアコンも。

テレビではしょうもない番組をやっている。そんなしょうもないテレビの音を出しながら、汗を流し、着替える。

そして、さっき買って冷やしておいたビールを空けた。残業続きで料理する気にもならない。

実家の親がこの生活を見たら、きっともっと栄養のある食事をしなさい、と言うだろう。

音としてしか認識していないテレビからは、一日のニュースが流れているがなんの情報にもならない。そんなこんなしてたら、あっという間にビールがなくなってしまった。

もうちょっと飲みたい、やっぱつまみくらいは欲しい。しょうがないからまた、さっき行ったコンビニへ出直す。

「いらっしゃいませ。」

不慣れな女の子がマニュアル通りの声を出す。さっき来たはずなのに、とちょっと表情が崩れているのを感じる。

ビール2缶とビーフジャーキーを今度は買う。

「合計540円になります。」

さっきと同じトーンで言ってくる。何事もないていで会計を済ます。ただ、ちょっとこそばゆい感じは否めない。

「ありがとうございました。また、お越しくださいませ。」

同じトーンでもいい。ビールなんて後付けだ。きっと会社以外の人肌のある声が聴きたくなって、またコンビニにやって来たんだと思った。というかやって来た。

また、明日になっても同じやりとりを交わすだけだろう。

それでも、

さよならしたばかりなのに、また、きみに会いたくなりました。